「生命保険」といった場合、大きく「万が一の場合に死亡保険金が支払われるもの」と、「病気やケガで入院をした場合に入院保険金が支払われるもの」とがあります。
今回は、「死亡保険金が支払われるもの」について考えていきましょう。

死亡保障とは

死亡保障とは、自分が病気やケガなどにより万が一のことがあった場合の経済的負担に備えるためのもの、自分ではなく残された方のためを思って準備するものです。

死亡保障が担う役割

人が亡くなるというのは、往々にして突発的で、残された方には大きな負担を与えることとなります。事前にわかっていない・準備が出来ていないところへ起きる万が一のことは、心情的にも経済的にも残された方の大きな負担となりがちです。
心の準備を事前にしておくことは難しいですが、経済的な準備は可能です。その方法のひとつが、死亡保障です。

死亡保障選びのポイント

死亡保障の選択に迷った場合のポイントのひとつは、「保険をどういった備えに活用するか?」です。

備えが必要な費用いろいろ

例えば葬儀費用、残された家族の生活費用や教育費用、単身で賃貸物件にお住いの方の場合ですと身の回りの物の引き払い費用についても考えておきたいですね。
葬儀費用や引き払い費用ですと一時的なものですが、生活費などは長い期間を見据える必要が出てきます。一時的なものに備えることを目的にするか、長期的なものに備えることを目的にするか、はたまたすべてか…。すべてに備えることが出来れば安心ですが、その分必要な保障額も増え、支払う保険料も増えることとなります。
家計の状況に合わせて、備える対象をどれかに絞ることで死亡保障の選択もスムーズに行えるでしょう。
死亡保障必要額

備える対象を増やすと、その分必要な保障額も増えていきます。

また、備えの対象をどう絞るかについては、世帯の状況によって考えることも出来ます。具体的には、「ご結婚をされているか」「お子様はいらっしゃるか」「ご家族はお仕事をされているか」、といった状況です。
例えば、ご結婚をされておりお子様がいないご家庭の場合はお子様の教育費用については備えの対象から外しても差支えはないでしょう。また、お子様はいるが共働きであるなど、ご自身に万が一のことがあった場合でもある程度の収入を見込めるご家庭では、保障額を調整し保険料を抑える方法も検討が可能になります。
世帯による死亡保障の内容
※保険を使った備えの一例です。ご家族の状況により例とは異なる保障が必要な場合もあります。

備える対象を絞る際は「自分(家族)は何が一番不安か?」を考えてみましょう。ご家族がいらっしゃる場合は、ご家族とも是非相談をしてみてください。

死亡保障の金額はいくら必要?

実際に保険に入ろうとした際の保障金額はいくらを目安に設定すれば良いのでしょうか。
前の項では、万が一のことがあった場合に必要な費用を全て保険で補うことを前提として考えてみましたが、実際には今現在の預貯金に加え、万が一のことがあった場合に公的保障で受け取ることが出来る保障金もあります。ですので、実際に保障金額を考える際には、
「備える対象に必要な金額」-「今ある預貯金+公的保障※で受け取る金額」=「不足額=保障金額」
として、過不足の無いように考えるのが理想です。
※公的年金である遺族年金について:日本年金機構「年金に加入している方または加入していた方が亡くなったとき」

必要な費用はどれくらい?平均データまとめ

では、それぞれの費用は実際にどれくらい必要となるのでしょうか。少々長くなりましたが、各費用の平均をまとめましたので、保障金額を考える参考にしてみてください。

  • どの世帯でも必要になる葬儀費用については、葬儀費用の合計額平均は約189万円※1、所有しているお墓がなければその準備が必要となり、その全国平均額は約170万円※2となっています。ですので、合計をすると約360万円がデータから見た準備必要額となります。
  • 次に、生活費の平均です。二人以上の世帯での消費支出は月当たり約24万7千円※3ですので、これを基に考えると、例えば10年間で必要な生活費は約2960万円となります。
  • 最後に、お子様の教育費用です。教育費用は公立を選ぶか私立を選ぶか?で金額に違いが出てきます。幼稚園(3年保育)の費用は公立では約67万円、私立では約149万円。小学校の費用は公立では約193万円、私立では約922万円。また、中学校の費用は公立では約145万円、私立では約402万円。高等学校(全日制)の費用は公立では約123万円、私立では約299万円となっています※4。
    更に、大学の学費は、自宅から通学をした場合、公立では約290万円、私立では約548万円となっています※5。
    合計をすると、幼稚園から大学まで公立に通った場合ですと約818万円、私立に通った場合ですと約2320万円となります。

長くなりましたが、これらすべての必要な金額を足しますと、必要な金額は約4138万円~約5280万円となります。
平均必要額
※平均額より算出したものですので、実際の必要額はご家族の状況により変動します。
データの上でも、やはり万が一の出来事というのは大きな負担となることがわかります。人によってタイミングは異なりますが、いずれは訪れる出来事です。その時に家族に不安を残さないよう、しっかりと考えたいですね。

本当の本当に迷っている方向け…死亡保障平均加入額

本当の本当に迷ってしまっていくら加入すれば良いのかわからない…でも加入はしておきたい…そんな方のために、「世の皆さんはどれくらいの金額で加入をしているか?」というデータをご紹介いたします。
生命保険文化センター「平成28年度 生活保障に関する調査」によると※6、死亡保障の平均加入金額は男性が1,793万円、女性が794万円となっています。また、年代別に細かく見ていくと下記の図の通りになっているそうです。
死亡保障平均加入額
ご加入時の保障金額に迷われた場合には、こちらのデータを参考にしてみても良いかもしれません。
ただし、あくまでこれはどこかの誰かの世帯での話になります。加入をするときは是非、自分のこと・ご家族のことを考えて、必要なものを取捨選択して検討してみてください。

※1 一般財団法人日本消費者協会(2014年)『第10回葬儀についてのアンケート調査報告書』
※2 一般社団法人全国優良石材店の会「2016年版 お墓購入者アンケート調査」結果
※3 総務省 家計調査年報(家計収支編)平成27年(2015年)「1世帯当たり1か月間の支出(総世帯)」
※4 文部科学省 平成26年度子供の学習費調査
※5 独立行政法人 日本学生支援機構 平成26年度学生生活調査結果
※6 公益社団法人 生命保険文化センター 平成28年度「生活保障に関する調査」